人の顔を描く時、全体のバランス以外に、目、口、鼻など、パーツ一つ一つをうまく描けるかも重要ですよね。
そこで、数回に分けて、壁、屋根、階段など、建築のパーツごとの設計手法を見ていきましょう。
一回目の今日は、「屋根の設計方法」について。
1.屋根に登れるようにしてみる
屋根で様々なアクティビティができたら、最高に楽しいと思いません?
例えば、studio velocity設計の「山王のオフィス」。愛知県に建つ木造2階建てのオフィスです。
屋根の上で食事したり、寝転がったりできる建築です。
他にも、手塚貴晴氏設計の「ふじ幼稚園」も参考になります。
屋根をできるだけ低くして、園児が屋根に登って遊べるようにしています。
2.屋根で建築と周りをつなげる
屋根によって、新しい建築と既存建築をつなげることもできます。
例えば、SANAA設計の「荘銀タクト鶴岡」。
鶴岡市に建つ文化会館です。
住宅地に建つ、ボリュームが大きい建築であるため、屋根を段々にして、周りの住宅地と緩やかにつないでいます。
3.屋根で半屋外空間を作る
屋根によってできた庇によって、半屋外空間を作ることもあります。
例えば、studio velocity設計の「KOWA PUBLIC APARTMENT COMPLEX」。愛知県に建つ町営団地です。
大きな屋根によってできた庇の下に、住民が座ったりすることで、交流が生まれることを期待しています。
4.屋根で室内の光を変える
自然光が建築内に入ると、本当に気持ちいいですよね。屋根によって、違った表情の自然光を建築内に入れることもできます。
例えば、スティーブンホール設計の「RUBENSTEIN COMMONS, INSTITUTE FOR ADVANCED STUDY」。
太陽光が直接建築に入り込んだり、波打つ屋根に反射したりして、様々な表情を作り出します。
こちらが、スティーブンホール本人による建築の断面スケッチ↓
様々な屋根によって、意図的に光を「デザインしている」のが分かります。Gのように、プールの水に反射させてから室内に光を入れるのは、かっこいいですね。