私が大学院時代は、 卒業設計前にリサーチノートを作りました 。 今日は、リサーチノートとは何で、なんのために作るのかについて紹介します。 → 卒業設計コンセプトメイキング 1. リサーチノートとは リサーチノートとは、 卒計のmy資料集 みたいなもので、 設計に必要な下調べ作業 ...

卒業設計の進め方:設計前にリサーチノートを作ろう

 
私が大学院時代は、卒業設計前にリサーチノートを作りました

今日は、リサーチノートとは何で、なんのために作るのかについて紹介します。

1. リサーチノートとは

リサーチノートとは、卒計のmy資料集みたいなもので、設計に必要な下調べ作業のことです。

例えばこんなもの↓(最低この50%の量を目指しましょう)


2.リサーチノートに含めるべき内容

内容は本当に千差万別ですが、大体以下を含みます:
  1. 設計コンセプト 
  2. コンセプトを空間にする方法や参考事例
  3. 空間の使用者の特徴
  4. 必要な部屋とそれぞれの面積
  5. 構法や構造
  6. 敷地分析
  7. ボリュームスタディ

例えば、「目が見えない方のための学校」を設計したい場合、 以下の内容は最低限含めるべきでしょう:
  • 目が見えない方の生活スタイル(どういう持ち物があり、私たちと違う行動はとるのかなど)、
  • 設計コンセプト
  • 参考事例(自分の敷地やコンセプトに合ったものを厳選する) 
  • 目が見えない方が既存建築に対する不満、
  • 目が見えない方が好きな空間、
  • 盲導犬に必要な施設、
  • 廊下の幅、トイレの数などの建築的寸法、
  • 学校に必要な機能とそれぞれの面積、 
  • 敷地の周辺状況や寸法、
  • ボリュームスタディー

これらを全てまとめれば、A4ノート1冊は簡単に埋まります。

実際にインタビューしてもいいし、ネットで検索しても、本から引用しても構いません。引用する場合は、出典もきちんと書きます。


3.リサーチノートを作る目的

目的はズバリ、
ビジュアルは200点満点だけど、中身がない建築を無くすため」です。

考えてみてください:

初めての敷地に、建築を勉強して数年の者が、初めての機能の建築を設計する場合、いきなり形が出てきたら、無責任ですよね?

構造や使う人間の生活スタイルなどの根拠を元に設計するのは、建築設計の正攻法ではないでしょうか。

実務でも、オフィスが専門の建築事務所は、「働き方」に関する論文を書いたりします。

一見、余分な時間のように思えますが、このような手順を踏めば、設計の手がかりができるため、自分でも感心する位、次々と案が思い浮かびます

4. リサーチノートを作る手順

リサーチに一学期間、実際の設計に一学期間と、リサーチにかなりの時間を費やすべきです。 

リサーチの間は、「形を出す」ことを忘れて、勉強に集中します。

「何をリサーチするのか」は、それぞれの卒計のテーマによって異なるので、ピンアップなどで何度も教授やTAとエスキスしました。

こういう授業がすでにある方は、本当に素晴らしい大学です。


いかがでしたか?ちなみに、卒業設計の手順は、こちらの本をおすすめします:

卒業設計コンセプトメイキング

卒業設計のコンセプトの選び方から、作品の練り上げ方、講評会のテクニックを実例で紹介しています。

手元に置いて、卒業設計を進めながら読むといいでしょう。
 
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