「建築家になりたいのですが、デッサンはうまい必要がありますか?」と聞かれますが、
答えは、必須ですが、大学に入学してからでも、間に合います。
もちろん、高校生ですでにうまい人は、就職で有利になる可能性が高いので、そのまま突き進んでください。
建築に必要な「うまいスケッチ」は、リアルという意味ではなく、「自分の頭の中に思い浮かんだ形を描ける力」です。
こういうのや↓
こういうので合格です↓
そのため、ゼロからでも、毎日15分練習すれば、二〜三年で身につきます。
最近は、「勝手にパース検定」のような、ドリルみたいに楽しくデッサンを練習できる本もあります。おすすめ!
それよりも、この質問をすると言う事は、もっと大きな問題がある可能性があります。
それは後ほど紹介するとして、まずは「建築家がデッサンが必須である理由」を紹介します。
デッサンが必要な理由1:ネタ帳作り
建築家は参考にしたい設計例を見つけると、スケッチで書き留めます。いわゆるネタ帳ですね。
設計はこういう練習の積み重ねで、5年後とかに差がつきます。
スケッチができないと、この作業ができないということになるので、大きな痛手です。
デッサンが必要な理由2:最速でアイデアを可視化できる
デッサンは、建築家が「頭の中で考えた建築を可視化する最速の方法」です。
プロ建築家でも、いきなり正解案にたどりつく人はいなく、いくつかの案をブレインストーミングするところから始めます。
このブレインストーミングを、PCでモデリングしたり、模型を手作りしてもいいですが、デッサンと比べて、凄く時間がかかってしまいます。
パソコンの電源を入れている間に、デッサンができる人はもう数案描いて、どれがいいか検討しているでしょう。
デッサンが必要な理由3:チームで討論するときに役立つ
この質問をする人は、要注意!
ところで、「� 建築家ってデッサン必要?」と質問をするということは、本当に建築設計がしたいのか、もう一度考え直すのをお勧めします。
「暇なときに、ついついペンを握ってしまう」と言う方はこういう質問はしないので。
完成した建築を見て、「かっこいい」と思っても、それを作る過程が好きではない可能性が高いのです。
例えるなら、食べることが好きな人が、シェフになりたいかは別問題です。
建築学科には、常にスケッチブックを持ち歩いて、大学のノートさえスケッチブックに書く方が「うようよ」います。
例えば、BIG創設者のBjarke Ingelsさんは、 もともと漫画家志望で、漫画の背景建築を学ぶために、建築学科に入ったそうです。
デッサンが好きじゃない人は、そういう方より、設計力が低い可能性が高いことを知っておいてください。
このまま、建築学科に進むと、将来建築家ではなく、建築材料、建築構造、環境設備などに進む可能性が高くなります。
それはそれで悪くない道です。むしろ建築設計より収入も高くなるかもしれません。
ぜひ、「建築学生の就活完全マニュアル」を一読してください。建築家以外に、建築学科卒業生がなれる職業を紹介しています。