毎学期数人、新しい先生が来るのですが 、その日は、学生とも見間違えそうな、やけに若い先生が紹介されました。「デジタルファブリケーションの専門家」だというのです。
すぐに、学校に巨大なミーリングマシンや3Dプリンターが出現し、その学期末には、廊下にデジタルファブリケーションで作られたサイボーグのようなパビリオンが出現しました。
その授業は取らなかったので、これが建築設計にどう役立つかは不明ですが、「すごい存在感」とびっくりした記憶があります。
それから数年、「3Dプリント」がプチ流行しているようなので、デジタルファブリケーションの建築での使われ方、建築家が習得する難易度について調べてみました:
デジファブの建築の活用例
建築模型と家具、建築の実物まで多岐に渡ります。
敷地模型
「ミーリングマシン」を使えば、地形から建物まで、一度にほることができます。普通の方法は地形線に沿って部材を切って、建物を切って、貼り付けていましたよね。GISデータがあるので、手で作るよりも時間が節約できます。都市計画の模型。型を作ってプラスチックの液体を流し込んでいるのだと思っていましたが(笑)、3Dプリンターを使っています。
建築模型
仙台メディアテーク(伊藤豊雄設計)の模型は3Dプリンターで作られているはずで↓実物
ICD/ITKE Research Pavilion 2011。各部材の形が違う一見複雑なパビリオンも、デジファブの力を借りれば学生でも建てられます。デジファブのメリットは?
今までの模型作りでは、スチボから壁と床を切って、手で貼り合わせていましたが、デジファブでは、パソコンで3Dモデリングすれば、機械が勝手に掘ってくれます。
みなさんも、一度は、「こんなクネクネの建築を設計しても、模型作りが難しそうだから、諦めよう」と思ったことがあると思いますが、
デジファブをマスターすれば、ザハのような有機的な建築の模型を躊躇なく設計できます。
デジファブを勉強する方法
建築家は「ライノ」などでのモデリングと、どんな素材がデジファブに適しているかを習得するのが最大の山場です。習得にかかる時間は、すでにモデリングができれば、半年。できないなら、2〜3年は見ておいた方がいいでしょう。