建築の卒業設計や、設計課題のプレゼンで、構成はどうすればいいのでしょうか?
私が学生時代は、「プレゼンにストーリーがなきゃだめ!」とよく先輩に言われました。
そうなんです。
理想の建築プレゼンの構成は、「ストーリーを持つ構成」なのです。
「え?ストーリーって『昔々〜、あるところに』で始まるやつ?」と思った方。ちょっと違います。
ディカプリオ主演のタイタニックを思いだしてみてください。
映画の最後に、おばあちゃんが宝石を海に投げ込むのですが、前のストーリーが無かったら、「なんて勿体ないことをしたんだ!」と怒る方もいるでしょう。
つまり、いきなり自分の設計した部分を「どどーん」と出さずに、前振りとして、「敷地はどんな場所で、どんな問題があって、こういう理由でこの建築に至った」を説明することです。
その方が、設計を見たときに感動します。
この前振り部分は内容もさることながら、分量も大事で、長すぎても短すぎてもだめ。そこで、例を見て掴むのが重要になります。
今日は、究極にストーリーがあるプレゼンの例を紹介します。
MIT建築学科学生:Chang Liuさんの修士の卒業設計です。タイトルは、“Library of Wonder”。図書館を設計しています。
こちらで、Downloadを押すと全部見れます。
ほんの一部だけ抜粋してみました。四章から構成されています。
目次で構成がよく分かります:
四章構成で、
第一章では、20ページかけて、今ある図書館の問題点と、自分が好きな読書空間について語っています。
第二章では、40ページかけて、コンセプトである中国庭園の空間を分析しています。
第三章では、60ページかけて、敷地分析と設計した建築の図面や模型を掲載しています。
第四章では、70ページかけて、図書館のウォークスルーを描いています。
第一章。高校時代の本との思い出や、好きな図書館建築の事例として、ルイスカースのエクセター図書館をあげています↓
第二章。コンセプトである中国庭園の空間を分析しています。
第三章。通常の敷地図、平面図、模型写真を載せています↓
第四章。設計した建築のウォークスルーです↓
いかがですか?第三章だけをプレゼンする学生がほとんどなのではないでしょうか。でも、説得力が増すためには、1章と2章が欠かせないのです。
しかも、トータル200ページのうち、60ページは案に至った過程を説明しています。つまり30%の分量です。
プレボでプレゼンする場合も、前振りに30%使うのは、妥当な分量だと思います。