高校までは、公式を覚えて、 練習問題を解いてから、応用問題を解くのですが、大学ではなぜかその機会が極端に少なくなります。 そこで、今日は、 建築空間の基礎知識 を紹介します。 初心者は、一旦丸暗記すると、のちのち自分の建築を作る際に役立つかも。 空間の知識1:幾何学図形 昔、建築...

建築空間の基礎知識1:基本の基本

 

高校までは、公式を覚えて、 練習問題を解いてから、応用問題を解くのですが、大学ではなぜかその機会が極端に少なくなります。


そこで、今日は、建築空間の基礎知識を紹介します。


初心者は、一旦丸暗記すると、のちのち自分の建築を作る際に役立つかも。



空間の知識1:幾何学図形

昔、建築はモニュメント的な存在でした。ピラミッド、古い教会、神殿を思い浮かべると分かりやすいと思います。


「幾何学」、「黄金比」など、建築の外観が重視されていた時代で、内部空間よりも重要でした。


あの頃は、正円、正方形、三角、十字架が最も登場する幾何学図形です。

伝統建築の平面図や立面図を見ると、この4つで構成されていることが多いです↓


パルテノン神殿の断面。正円がすっぽりはまります↓


幾何学図形は、落ち着きがある安定したイメージを与えてくれます。


建築がもっと自由な形になったのは、19世紀頃になってやっとです。


ところで、ミース、コルビジェ、安藤忠雄などは幾何学図形を多用します。だから、クレージーというよりは、「正統派」なイメージがあるのかもしれません。


安藤忠雄さんの平面図↓



空間の知識2:リズム

建築の壁、柱、門、窓などの「部品」がある秩序で繰り返えすことを「リズム」と呼びます。


例えばこの二つのファサード:



前者は穏やかなリズム、後者はより激しいリズムをもちます。


他にも、柱をこのように並べてもリズムになるでしょう↓





建築全体を同じ手法で作ると、空間が単調になるので、一部リズムをつけたり、逆にリズムを崩したりして、変化をつけると良いでしょう。



空間の知識3:対称と非対称

左右対称な建築は、威厳あるイメージを与えます。モニュメントや宗教建築はによく使われます↓



一方、非対称な建築は、軽快なイメージを与えてくれます↓


現代建築は、非対称が圧倒的に多いので、特別に威厳を出したい時に、左右対称を戦略的に使ってみてはいかがでしょうか?



空間の知識4:コントラスト

大空間に入る前に、低く暗い空間があると、 コントラストによって大空間がより強調されます。




例えば、1番左の入り口から教会に入った場合を考えてください↓
入り口近くの天井は低いですよね?その後ちょっと高くなり、そして大空間に入ります。

こうやって、2つの小空間によって「見せ場」となる空間を盛り上げているのです。

ちなみに、その後、また低い空間が2つ続き、二番目の見せ場に入って行きます。

音楽の「イントロ」、「サビ」と非常に似ていますね。


空間の知識5:シークエンス


建築家は、人が建築内をどう移動するかも、考えることがあります。

これは、特に美術館、博物館建築で重要で、順番にもって回るのか、好きに自由に回れるかを考えなければいけません。
 
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