しかし、人の空間の感じ方は、断面によっても変わります。
「平面はロジックで決まり、断面はハートで決まる」とも言われるくらいです。
そのため、大学3、4年になると、平面図を設計し終わった後に、断面も吟味しないといけません。
「え!断面って、平面が決まれば、自然に決まるんじゃないの?」とお思いの方!
概形はそうですが、断面でしか設計できない建築の要素がまだまだあるのです。
概形はそうですが、断面でしか設計できない建築の要素がまだまだあるのです。
今日は、「これらに気をつけて設計すると、いい断面になりますよ〜」と言うことについて。
よい断面のコツ1:天井を設計してみる
全室の天井を同じにするのではなく、天井高を変えたり、スカイライトをつけたりして、室内の空間の質を変えましょう。
下の2つの空間を見てください:
平面図が同じでも、空間が全く違いますよね。天井高次第で、のびのびとした空間にも、窮屈な空間にもなるのです。
よい断面のコツ2.外部との関係性を設計してみる
断面で外部との関わり合い方も見えるとポイントが高いです。
どういうことでしょう?
例えば、下の二つの建築は、1階の平面図が同じですが、
左の断面図は、通行人の視線を遮りながら、外が見えるので、落ち着いた心地よい空間になります。
一方、右の断面図は、もっと直接外部と交流できます。お店には良いですが、プライバシーが必要な建築には向いていません。
このように、どういう断面図が良いかは、機能や敷地の条件によって変わるのです。
よい断面図のコツ3、シークエンスを設計している
空間を体験するシークエンスも断面で設計できます。
例えば、下の断面図では、天井高が低い部屋を通った後、全面ガラスがある開放的な空間に入ります。気持ち良いですよね。
実は、中世の教会でも使われていた手法です。
メインの礼拝堂に入る前に、暗くて天井が低い部屋を作ることで、礼拝堂に入ったときの感動を倍増させているのです。